Interviewed by Dr. Doom (DOOM PATROL FOUNDATION)
Tomokazu Mizutani (G/以下T) : (向かいの席の女子高生数人組を見て) JCですかね。JKですかね。
Kazuhiko Nakamori (B/以下KN) : レベルが高すぎる…。JK1年?
Kohei Aoki (Dr/KA) : いいっすね〜。僕なんか多分触れないっす。
T : 門限とかないんですかね。
KA : ですよね。そろそろじゃないですかね。
T : あ、始めましょう!
●いいすか? じゃあ、インタビュー始めます。そもそもバンド名をMY LOVEからILL COMMUNICATIONに変えたところから話を聞かせてください。
T : え〜、ちょっとオークションのやりすぎで…。
KA : サクセス! あ、違った、セクサス!
●いきなり脱線してんじゃないすか (笑)。
Hirohisa Yamaguchi (Vo/以下H) : 音楽的な方向性が変わってきたっていうのが一番でかいのかな。あと別でMY LOVE MY WAYってバンドもいるし。もっと有名な。
KA : それ俺、初耳っす (笑)。
T : 日本のバンドでけっこう有名だよね。オルタナ系の。
KA : あ、MY LOVEって検索すると出てきます。
●MY LOVEとILL COMMUNICATIONは別のバンドなんですか?
T : いや、そんなに深く考えてません (笑)。
KA : カッコいいっす。
●今後もMY LOVEの曲は普通にやる感じですか?
H : まあ、その辺もあんまり考えてない (笑)。
T : 可能性はなきにしもあらず。ライヴに来てくれたらわかるよ。なんつって。
KA : カッコいい!
T : カッコいいすか?
KA : カッコいいっす。インタビューっぽいっす。
●じゃあ、ILL COMMUNICATIONっていう言葉の由来については?
H : まあ、バレバレだよね (笑)。BEASTIEのアルバムのタイトルなんだけど。なんでそうなったんだっけな〜。
T : 勢いじゃないすか。
H : みんなにたくさんバンド名の候補を挙げてもらって、でもほとんど (既存のバンドと) バンド名かぶっちゃってて。で、KMTがCOMMUNICATION BREAKDOWNっていうのを出して、ナカモリくんがILL COMMUNICATIONってどう? って言ってたし。あとBEASTIEの「ILL COMMUNICATION」ってアルバムの1曲目の歌詞にMy Loveって言葉が出てきて、それともかかってる。みんなBEASTIE BOYSのこと好きだしね。
KN : バンド名を曲名から取るのは多いけど、大胆にアルバムから持ってくるバンドは少ないから。
●確かに大胆なバンド名ですよね (笑)。
KN : アメリカでやったら訴えられそうだけど、日本だから大丈夫かと (笑)。
●じゃあ、ニュー・アルバムのアートワークについての質問を。写真を撮ったのは誰なんですか?
H : タクマくん。FOR A REASONの。
KN : タクマを選んだのは、彼がシーンで一番高いカメラを持ってたから。写真が上手いか下手かは関係なく。カメラは値段だっていう。
●そうなんすか (笑)。デザインをしたのはYOYO-Tさんですよね。アートワークについてどういうリクエストをしたんですか?
H : EYE FOR AN EYEのジャケットを今見たら斬新だと思ってそういうリクエストはしたね。最近、こういう (アー写を入れる) ジャケットの人たちいないからいいなと思って。みんなの写真が載ってると記念にもなるし。結婚して子供ができて.....
T : そこだよね〜!
H : グータラ親父になったときに『父ちゃん、昔はこんなのやってたんだよ』って。
T : 威厳をね。親父の威厳をね。
●なるほど…(笑)。なんで都庁の前なんすか?
KA : 東京をレペゼンっていうか、シティー・ボーイなんで。静岡出身の (笑)。さーせん、片田舎っす (笑)。
●アルバムのタイトル「KICKIN' YOUR HEAD」については?
KA : 元々、バンド名にするって話もありました。
KN : 何か、ingを使った単語を入れたかったんだよね。っていうところからヤマちゃんが。
H : 歌詞の中にこの言葉があってそこから。けっこうインパクトが強い感じだし。
KN : そう。最初に歌詞にその言葉があってそれをタイトルにしたんです。
●曲名について聞きたいんすけど、その中で "M.A.T.T.La" について聞かせてください。
H : マットっていう友達なんだけど、彼はハードコアの伝道師っていうか、イルコミっていうかMY LOVEのときから多大な影響を与えてくれた人で。お客さんがいないようなライヴでも1人で暴れてくたりしてね。彼にいろいろライヴのやり方を教わったりしたし、支えられた部分がすごい大きいよ。悲しい出来事があって今はもう亡くなってしまったんだけどお世話になった人だね。この曲は彼だったらモッシュしてくれるだろうなって感じになってると思う。彼がいなかったらイルコミはなかっただろうし。日本のRaybeezです (笑)。
T : そもそもマットとは、BANEの初来日のときに埼玉で会ったんだっけ? 脱いでたんだよ。ヌード・コアなんつって (笑)。で、下北のときにも会って、スケートの板持ってたから話しかけて。
KN : 当時からレアT着てたんだよね。僕らはそれを現地で買ったんじゃないかって興味があって話しかけました。それからeBayでレアのTシャツがゲットできることを知ったしいろいろ教えてくれて、それから仲良くなった感じです。
H : ほんと何でも早かったからね。COLD WORLDのTシャツ集めるのとかも相当早かった。
KN : 日本で一番最初にほぼ全種類集めてた。とにかく給料をつぎ込んでたっていう。うちらより3つくらい年上で、年上なんだけど一番モッシュしてくれて。SILENCE (KILLS THE REVOLITION) もそうだけど、うちらがやってるバンドを一番引っぱってくれた人ですね。
H : だって遺品を取りにいったとき、段ボール30箱くらいあったもんね。バンドTだけでだよ。
KN : 3年くらい前に亡くなったんだけど、8月27日その命日にはSILENCEで曲作ったり、イルコミでもイントロとか作ったり、できることをやってます。
●なるほど…。じゃあ今度は歌詞については?
KN : ヤマちゃんと2人で書いたんですけど、わかりやすい歌詞で難しいことは書かない。シンガロングをわかりやすくしました。
H : 自分たちがライヴ見に行く立場で考えて、歌いやすい曲があるといいなって思ってたし。お客さんが盛り上がらないと成立しない曲なんだけど (笑)。
T : 曲短いし、単語もわかりやすいし、覚えやすいかな、とは思います。
KN : ブックレットの中もシンガロング・パートは太字にしてあるし、そこはよりわかりやすくしました。歌詞の内容も基本、アングリー系というか、うちらはパンクスだと思ってるんで。
KA : アナーキーっす。
H : 日々の怒りをポジティブなエネルギーにライヴで変えるというか。
KA : すごいっす…。
T : それはバンド側もお客さん側もそうなんだけど。
KA : アングリーっす…。
●それじゃ、音楽面の質問を。アメリカのバンドからの影響を強く感じるんですけど、具体的にどの辺のバンドでしょうか?
KA : 俺はもう完全にNO WARNINGっす。ドラムはかなり意識したっす。
KN : あとはDOWN TO NOTHINGとかそういう。
T : DOWN TO NOTHINGとかもそうなんだけど、曲によってはサンフランシスコ系のバンド、ALLEGIANCEとか。あとCEREMONY。
KN : LAGWAGONとかPENNYWISE…。
T : GUTTERMOUTHも。そういうポップさも。
KN : メロコアからハードコアまで幅広く。
T : まあ最近はあんま音楽聴いてないんすけど (笑)。土台としてはDOWN TO NOTHINGの1st、2ndあたりとかにプラス・アルファしたって感じです。そこら辺の時代のハードコアが好きです。
H : メタリックにはならず土臭い感じに。BRACEWARとか。泥臭いっていうか。
KN : 土臭くてゆるいモッシュ・パートがあるといいな、みたいな。ゆるく行きたいんですよね。本気のモッシュじゃないみたいな。
T : 遊び心みたいのは入れたね。
KN : スポーティーっていうか…アスリート・パンク (笑)。
●じゃあ曲作りのやり方について聞かせてください。みんな本業のバンドありますよね。そっちとどう曲を使い分けてますか?
T : あ〜全然違いますね。僕はイルコミが本業だよ!
●そのコメントは太字系っすね (笑)。
H : イルコミの今回は特にシンガロングを強調したっていうか、だからナカモリくんと一緒に考えてなるべくわかりやすい歌詞にしたし。シンガロング、モッシュ、ダイブがメインな感じにはなってるかな。
T : なるべく長い曲じゃなくて短く。
H : このバンドは特にしがらみもなく自由に作ってる。SILENCE、ENDZWECK、CLEAVEってそれぞれの色があるから。
●それぞれの本業でできないことをここでやる、みたいな?
T : そういうのもあります。
KMT (G) : 自由にギター弾いてます。
H : KMTにちょっとソロ入れてくれって言ったり…
KMT : レコーディングのときにその場で言われるのはちょっときつかったっすけどね (笑)。スタジオのときはあんなのなかったから (笑)。
T : でも良かったよ。
KA : パンクっす。
KMT : ありがとうございま〜す。
●今のラインナップになってからのレコーディングは初めてですよね? 凄まじい速さでレコーディングが終わったという噂が…。
H : レコーディングが始まるまでに完全に曲が出来上がってたからね。で、2ヶ月くらいそれに向けて練習してたし。
T : スタジオに週1で入ってたもんね。あれは凄いですよ。
KA : しかしレコーディング終わってから1回しかスタジオ入ってないという情報が…。
T : いやいや、休憩も必要なんですよ。
KA : さすがっす。夏休みっす。
KMT : いや〜、(レコーディングの作業が) 速すぎたっていう (笑)。ミックスとか入れて週末2回で終わっちゃったんで。ギターもう1日欲しかったみたいな (笑)。
T : 速いとスイッチを踏み忘れるっていう (笑)。アンプ、僕使わないんで。JC命なんで (笑)。まあ、ちょっとミスりましたね。アンプの難易度の高さには驚かされました。
KA : さすがっす。
●さすがです (笑)。ゲスト・ヴォーカルもたくさん入ってますが、どのように選ばれた人たちなんですか?
H : 身近で特徴のあるヴォーカルを選んだっていうか。DOGGY HOOD$のH8mongerさん、FAKE COUNTナリタくん、LOYAL TO THE GRAVE小林くん、あとERICのカズシ、KMTでしょ。けどフィーチャリングって言わないか。CLEAVEのドヒ、あ、コウヘイも歌ってた。
KA : 俺も歌いました!
T : コウヘイもゲストって言わないでしょ (笑)。あとはコーラスのところでお時間がある方々っていうか、お時間がたっぷり余ってる方々が。そんなところですかね。
●ゲストの面々が歌うパートはどういう指示を出したんですか?
H : もうそのひとの個性を生かしたかったからそれに任せたっていうか。歌の乗せ方だけある程度言ってあとはもう自分なりにやってもらって。H8mongerさんに至ってはほとんど指示してないし (笑)。ナリタくんとかもFAKE COUNT節があるし。小林くんは1stミニのときから歌ってもらってるよ。
KN : 小林くんはアルバムのタイトル曲を丸々1曲歌ってます。
●では質問の流れを変えて、ILL COMMUNICATIONは自分にとってどんなバンドですか?
T : プロジェクトだけど、別になあなあでやってるわけじゃないです。みんな各々のバンドがあるから活動は頻繁にはできないけどちゃんとやってるし…その集大成が…これすかね! (完成したアルバムのデジパックを掲げる)
KA : 言い切った (笑)!
KN : 自由に、っていうかゆるくっていうのが自分の中では大事っていうか。
H : もう何でも、ラップ入れてもいいし、メロコアな曲を入れてもいいし。
KN : 実際、メロコア1曲くらい入れようかって話もあったし。
●メロコアはなんでポシャっちゃったんですか?
H : KMTに (メロコアな曲を) 作ってきてくれって頼んだんだけどね。
KN : それが間に合わなくて。
KMT : (笑)。(トリプル・ギターのCLEAVEと比べて) まずギターが1本少ないので、ちゃんと弾かないと、ってCLEAVEでもちゃんと弾いてるんですけど (笑)、作る音とかが全然違う。CLEAVEより全然歪んでるし。音が抜けるから楽しいです。全然別物だけどそれが苦じゃないし、ドロップDのギターが弾けるバンドに入ってすごい面白いです。
●(ひたすら携帯をいじるコウヘイ氏に対して) 何してるんですか?
KA : え?! ちょっとショップのメルマガ見てて…。え〜、え〜と淋病です。淋病だけどライヴに来てください (笑)。
T : やだよ。行きたくないよ。
KA : すいません! けど性病は聖なる病気ですから。
T : あ〜クリスマス・ギャグですね。
●マイスペに新曲上がってますが、反響ありましたか?
H : こないだのTHE MONGOLOIDSのときとか、トレーラーの影響だと思うけど、けっこうみんな知ってて歌ってくれてたね。けどまあみんないいって言ってくれるけどね。
KA : みんなこぞって言うのがH8mongerさんのフィーチャリングが凄いっていう。
●マーチャンのデザインのネタは誰のアイディア?
H : それはそれぞれ、ナカモリくんが考えたり、俺が考えたり、アイディアを出した人が作るみたいな。あ、コウヘイが作ったのもあった。
KA : ああ! まったく売れなかったです…。
KN : イルコミの最初のTシャツはBOWL HEADのトメさんに完全にお任せで作ってもらいました。
●リップオフ物とか、マーチャンのデザインでそういう風に遊ぶのってこの辺のハードコア特有っていうか、そういうの多いですよね。今後は何かアイディアあるんですか?
T : アイディアはたくさんありますよ。金さえあればいくらでも作りますよ。なのでTシャツ買ってください! CDも買ってください。
KA : 次 (のマーチャン制作) につながりますよね。さすがです。
●アルバムのリリース後の活動はどんな感じですか?
KN : 8月にICE GRILL$ RECORDS企画のALL HEARTのジャパン・ツアーの新宿ナインスパイスのに出ます。あと9月にCOURAGE FOR LEAGUEのレコ発を兼ねた名古屋のPOSI博っていうのに声かけてもらったんでそれに出ます。今池のハックフィンってとこでやります。
●あと10月にHERE WITH ME FESTでレコ発ですよね。そもそもこのイベントの発端について教えてください。
KN : HERE WITH MEは、さっき曲名の質問のときにも出てきたマットがいたときからやってて、SILENCE、AS WE LET GO、あとFALLING APARTの3バンドの共同企画で。毎月やろうって言ってたんだけど、何ヶ月かやってソッコーでポシャって。
T : 自然消滅して…(笑)。
KN : それが復活して年に1回やろうってなって、で、マットのことがあって。彼のために、意味合い的には "みんなと一緒にいる" っていう。
●じゃあ最後に自己アピール・ポイントを (笑)。
T : いいすか? 大丈夫すか? じゃあ…ギター兼オークション担当やってるセクサス水谷です (笑)。
一同 : (爆笑)
T : とにかく東京のレコ発、HERE WITH ME FESTは来てほしいですね! まあ、ライヴ来いつっても来ないけどね。
KA : あとCD買ってください!
T : そうだね。お金ない人もいるだろうから、マイスペで聴いてください。
KMT : あと全然知らない人とかもライヴ来たら話しかけてほしいですね〜。気軽に。
KA : 話しかけられたいです。
T : まあ、それはこっちもね、オープンな感じをね。そうやってコミュニケーションを…。あ! ILL COMMUNICATION!
KA : さすがです…。
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